>>>栽培温室について
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(有)とまとランドいわきの栽培温室は日本では数少ない『トラス式ダッチライト型ガラス温室』と言い、施設園芸のメッカであるオランダの技術によって建設された総面積は23,664uの温室です。温室の周囲はすべてガラス・アクリル貼りになっており、温度や湿度を調節するための天窓(てんそう)の開閉やボイラー設備、CO2発生装置、光や温度を調節するためのカーテンの開閉、そのほかにトマトに養液を供給するための装置などはすべてコンピューターで日射量や光の強さなどの条件により複合制御されています。 しかし、植物を栽培しているだけに当然人の手による作業も多く、毎日経験豊富なスタッフが20〜25人で常にトマトの育成状況に応じた栽培管理を行っています。
また、他とは違う当温室の特徴としては『地球環境への配慮』という点で、養液として使用した廃水をろ過装置でろ過し、きれいな水に変えて再度使用するという水のリサイクルを行っていることや、ハウス内の温度を上げるボイラー設備についても東北地方では初めて燃料に重油ではなく、LPガスを使用していることが大きな特徴です。LPガスからでる排ガス(CO2)は非常にクリーンで、とまとランドいわきではその排ガス(CO2)を施設外へ排出するのではなく、トマトの光合成促進のために温室の中に配管を通じて放出しトマトに吸収させています。こうすることにより、地球環境にやさしいだけではなく、トマトの成長が早くなり果実の品質も向上するという大きな利点があります。
また、ボイラーから出た熱をタンクに貯蔵しておく蓄熱設備や雨水を貯めておくための雨水タンクも環境への負担を減らすための設備のひとつです。
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水のリサイクル
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従来までの栽培温室は、一度養液として使用した水はそのまま排水として捨てるなりしていたのですが、とまとランドいわきの新しい温室では、トマトに吸収されずに残った養液を回収し、上の写真の排液殺菌装置(写真左通称『エコスター』)で熱殺菌処理を行い、再度養液として使用する方法を取り入れています。これにより、水資源の節約に一役買っているというわけです。 写真左:排液殺菌装置(通称『エコスター』) 写真右:排液ろ過装置(排液殺菌装置で殺菌する前に不純物を取除くろ過装置です。)
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LPガス
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従来まで、施設園芸などでの暖房の燃料は重油がほとんどでしたが、今回の新しい温室ではボイラーに使う燃料にはクリーンエネルギーであるLPガスを採用しました。
これにより廃ガスに含まれる有毒な物質を抑えて環境への負担を減らすことにつながり、トマトの成長を促すために温室内に施用する二酸化炭素も、今までは液化炭酸ガスを気化させて使用していたために多大な経費がかかっていたのですが、LPガスをボイラーで燃やす際に発生する二酸化炭素を利用することができるので、経済面でも非常に有利と言えます。 写真:LPガスタンク(30t)
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蓄熱設備
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暖房のためにボイラーを燃やすことにより発生する余熱は、通常排気として大気中に放出してしまうのが一般的ですが、下の写真の様な蓄熱タンクに熱を貯めることにより、必要な時に熱を補うことができ、燃料の節約にもなります。 写真:蓄熱タンク(250t)
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雨水タンク
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トマトへの養液に使用する水は1日約100トン近い膨大な量を使用するため、水道水を使用するとそれにかかる費用も莫大なものになってしまいます。そのため今回の新しい温室では、井戸水と雨水を併用する方法を取り入れました。
雨水は簡単なろ過装置でごみなどを取り除いてやるだけで、トマト栽培に非常に適した水となるのです。 写真:雨水タンク(800t×2)
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